田山歯科医院|DR. TAYAMA DENTAL OFFICE

メタルフリー治療

歯を修復する治療材料として、金属を使わないことを”メタルフリー”治療といいます。それは近年の著しいセラミック素材の進歩と、そのセラミックを歯と一体化するための接着技術・接着剤の進歩があって実現したことです。従来の歯科治療では、差し歯の芯、被せもの、虫歯の詰め物、義歯のバネやフレームなど、殆どの歯科治療に金属が多用されておりました。しかし毛細血管が多く発達している口腔粘膜に、金属を常時接触しておくことが、金属アレルギーの原因となったり、症状はなくとも金属イオンを体内に吸収することによる健康上の問題が指摘され、皮膚学会での一説によれば、原因不明のアトピー性皮膚炎の7〜8割が、実は口腔内の金属により引き起こされていた、という報告もあります。さらに最も歯肉炎になりやすい歯周ポケットの周りに、被せものの金属を設置することで、電荷を帯びた金属に細菌粒子が引き寄せられ、かえって歯肉炎を惹起する事実などが判明して、歯科治療の材料としての金属の使用は避けるべき、との流れになりました。

当クリニックでは、「オールセラミック」や「ラミネート」の項目でご説明しているように、治療法が開発された当初より、メタルフリー治療を実施しておりますので、およそ20年の豊富な治療経験と治療後の多数の方々の経過を拝見しており、そのデータをもとに最も安心できる材料の選択、接着技術を採用しております。

症例

前歯の審美的な改善及び、奥歯の金属製の被せ物が気になりご来院になりました。度重なる奥歯の治療により、本来の咬み合わせからズレが生じている事が診断で明らかとなり、ご相談により、この機会に咬み合せを理想的な状態に戻すことになりました。既存の治療を全て基礎からやり治し、プロビジョナルレストレーションにて審美的な改善を行い、新しい咬み合せへの適合性等を十分な時間、経過を観てから、金属を使わないオールセラミック(メタルフリー)にて治療いたしました。