ラミネートベニアとは、約20年ほど前にアメリカで開発された治療法で、元々は小児期の抗生剤服用による副作用が原因で生じた着色歯を治すために、エナメル質に限った僅かな切削を行い、ポーセレン陶材で製作した非常に薄いセラミックを重ね合わせて(ベニア)接着剤で貼り付ける(ラミネート)という治療から始まりました。その技術が、口元に関心の高いアメリカでは審美的な回復のために応用され、口唇と歯列とのバランス、すなわちスマイルラインを整える治療として発展して現在に至っています。近年では、使用されるセラミックの各種材料や、歯に接着する接着技術、接着剤等が飛躍的に進歩しましたが、元々、診断、製作、接着と全ての治療ステップで、繊細で高度な技術が要求される治療のため、口元に対しての関心が比較的低い日本では、残念ながらあまり普及していないのが現状で、さらに剥がれやすいと誤解されている治療法でもあります。正確なテクニックで慎重に治療を行えば、決してそのようなことは無く、アメリカで開発された当初から導入していた当クリニックでは、良好な術後経過が20年近い患者さんが多数おられます。